無風
けんかをした帰り道 「弱いんだね。」 歩きながら、友が言う。 「うん。ぼくは、弱いんだ。」 歩きながら、ぼくが言う。 胸の奥の魂がふるえる 魂が… 風などふいていないのに 「じゃあ、また明日。」 そう友が言う。 「うん。」 ぼくは、歩いたまま、そう言う。
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