ひとりきりでわたしは
ゆうぞらがうつくしくて
わたしはばかみたいにひとりで
そして帰る場所がありませんでした
うすやみがわたしを包み
雲はとおく流れて
木々は静かに揺れていました
どこから来てどこへゆくのか
風は
わたしの頬をあらって
通り過ぎていって……
こんなとき
うたをうたえたらよかったのにと
わたしはばかみたいにひとりで
そう思うのでした
なにもかもがうつくしい
こんな夕暮れに
ばかみたいにひとり空を見上げ
同じようにさみしく
胸の鼓動をきいている
遠く離れた誰かに
届くような
うたをわたしはうたえたらよかったのにと
そう思うのでした
こんな
なにもかもがうつくしい
ゆうぞらの下で
帰る場所もなく
ばかみたいにひとりきりで
わたしは
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(C) 2002 脇素子 (WAKI Motoko)