たった一度の出逢いが


たった一度の出逢いが
わたしの運命を
こんなにも鮮やかに
変えてみせたのでした
まるで
ながいながい夜のあとの
ほのかがやく
朝のような
靴ひもだけをしっかりと結んだ
ひとりきりの
旅立ちのような
そんなひかりを
ある日わたしは
浴びたのでした
あのたった
一度きりの出逢いが
ほのかで
そしてちからづよい
ひかりをわたしに
与えたのでした
詩をかくことなど
考えてもみなかった
このわたしに



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(C) 2002 脇素子 (WAKI Motoko)