冬の待機


もし君の
手がかじかんでいるのなら
包みこんで あたためられる
僕の掌でありたいのだ

ひと恋しさに 不意にとらわれ
空を仰いでいるのなら
ひとときの 話し相手にえらばれる
気安い僕でありたいのだ

(どこかでわたしを すべて見て
知ってくれてる 誰かがいるんだ
いいんだよ と言ってくれる
そういう誰かが……)
もし君が
そんなふうに
涙をこらえる夜にいるなら
僕はその どこかの誰かでありたいのだ
いいんだよ と君に言う
そういう僕でありたいのだ


食料は多くなくて良い
毛布は幾枚かあると良い
どこかにいる ひとりの君を
僕は待つ
呼ばれることが もしなくても
両の掌をあたためておく
これが僕の冬でありたいのだ



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(C) 2005 脇素子 (WAKI Motoko)